【アメリカで13キロ痩せた】海外留学中に摂食障害になり強制送還されそうになった話【3】

留学

 

前回の続きです。

 

ケーキかアイスクリームを食べなさい

 

カウンセラーとナースからはとりあえず食事をしっかりとること、運動は一切しないことを約束させられました。

しかし今までありとあらゆる脂質、糖質、タンパク質が怖かったのにいきなり食べろと言われるのは無茶な話です。

なんせカウンセラーが提案してきたのが、

「朝ごはんはオムレツ食べましょう。」

「ランチはサンドイッチはどう?ハムとかお肉たくさん挟んでね」

「ディナーはお肉食べましょう。チキンとか。あとデザート何か食べてカロリー取りましょう。ケーキでもアイスクリームでもいいから。」

 

 

もう私は茫然。

拒食症、つまり食べてこなかったからその分食べればいい、それで解決。なんて簡単な話ではない。本当にこのカウンセラーは分かっているのだろうか。カウンセラーというのは心のケアをする人のことではないのだろうか。ここはアメリカだからこんな食事の提案するのが当たり前なのだろうか。

 

「今のあなたはとにかく栄養が必要なの」

「あなたの身体は餓えているのよ」

 

そんなことは自分の身体を見ればわかります。自分で自分の身体に触れたくないくらい、痩せこけていたのですから。

そして現在摂食障害は難病であり一生かけて向き合っていかなければいけないかもしれない症状であることを理解したからこそカウンセラーに対して新たに芽生えた失望があります。

 

私は当時カウンセラーに「どれくらいで拒食症は治るの?」と尋ねました。恐らく私はどれくらいの期間で体型は元通りになるのか、聞きたかったのだと思います。

彼女は「皆2、3か月で完治するわ。その後皆必ず私たちに御礼を行って大学を去っていくの。」と言いました。

もう一度言いますが、拒食症は食べたら治る、そんな簡単なものではありません。たとえるなら、

 

・成長期の終わった大人に「今から3か月以内に身長を10cm伸ばしなさい」

・宝くじ一等を必ず当てなさい

・全治3か月のけがを1週間以内に治しなさい

 

と言われているようなものです。摂食障害を努力と根性だけで解決できる問題として片付けられていることに怒りと絶望を感じました。

過去の学生は本当にたった数か月で完治したのか、完治とは「体重が健康体重になり、かつ精神的に安定し、食への執着心が和らいだ」ことを言っているのか、または無理やり「体重だけ」増量させたのか…

 

そしてナースから言い渡されたのは、「1週間で2 lbs, 約900gずつ体重を増やしていくこと」

もう正直意味が分かりませんでした。でも摂食障害についてしっかり調べたことがなかったので、「これくらいのペースが普通なのかな?」とも思いました。

私は今の体型では家族にとても会えないこと、少しでもまともな体型に戻りたいという一心で「わかった」と約束しました。

 

「あなたに裏切られた」

 

最初の週、私はなるべく食べました。食べて食べて食べて。早くナースとカウンセラー通いを終わらせたかったのです。そして1週間で2kg近く増えました。

ナースは驚いていましたがとても喜んでいました。私は体重があまりに簡単に増えることに驚き、戸惑いました。そして次の週、私は少し食べる量を減らしたのです。減らしたといっても以前よりはずっとたくさん食べていました。結果、体重は1週目より減っていました。食事量を減らしたのと、ずっと便秘だったのが改善して余分な老廃物が輩出されたからだと思います。私はそのことをナースに説明しましたが、信じてもらえませんでした。

 

「拒食症を治すのに前向きになってくれたと思っていたのに」

「あなたを信じていたのに、私たちは裏切られた」

「今すぐにでも入院するか、退学して実家に帰りなさい」

 

こんな言葉を言われました。

 

「急に体重が増えて驚いただけ」

「体重を増やすこと自体に恐怖はない、ただもう少しゆっくり増やしていきたい」

 

私はこのように説明しました。全て本心です。

しかし私が事実を説明すればするほど、ナース、そしてカウンセラーも

 

「摂食障害になってまともな考えができないのね」

「あなたは拒食症に体と脳を支配されているのよ」

 

 

と私を「正常な判断ができなくなったばかなやつ」といわんばかりの言葉を浴びせられました。

 

 

強制入院

 

「あと1週間だけ時間をください、次は必ず体重を増やすから」

 

私は頼みに頼み込んで1週間、様子をみることになりました。

正直私は安堵しました。体重が維持より少し増える程度になるように食事を調整すればいいや、と考えていました。

 

そして1週間後。

 

朝9時。

 

ナースとカウンセラーに会いに行きました。なぜかいつもよりあわただしい雰囲気がするなあと思っていました。すると毎週していた体重測定はせず、「これから病院行くから、少しここで待ってて。私からあなたの教授に欠席の連絡するから。」と言われたのです。

もう何が何だか分かりません。私はいつもの定期健診と面談だと思っていたので、リュックには今日の授業の用意が入っているだけです。

「自分の部屋に帰らせて。必要なもの取りにいくから」と言っても許されませんでした。恐らく私が脱走すると思ったのでしょう。保険の証明書なし、スマホの充電器なし、暇つぶしの本なし、パソコンなしの軽装でよくこのまま行くなんて言ったもんだ、と今になって思います。

 

病院に着き受付を済ませた後、付き添ってくれていたカウンセラーは大学に戻り私は一人になりました。

廊下の椅子に座ってぽつんと待っていると、研修中らしき大学生やナース、ドクター、患者さんと付き添いの家族、たくさんの人が私の前を通っていきました。彼らは忙しく動き回り私のことなんて興味がありません。そんなことはわかっています。しかし私は

 

「このがりがりに骨と皮だけになった身体を見て皆はどう思っているんだろう」

「小枝程度の細さ、もろさの脚を見られたくない」

 

とにかくできるだけ小さく縮こまり、一目につかないように気配を消して誰の視線にも触れないように祈っていました。

 

そして検査が終わったら連絡して帰ろう、何時になるかな~なんて考えていると、ナースがやってきました。

 

「今日はこのまま入院になるから部屋に案内するね」

 

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コメント

  1. […] 前回の記事で、強制的に病院に連れてこられ、突然入院を告げられました。 […]

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